千葉好き地図鉄の雑記録

千葉県の鉄道などについて記します。

鉄道連隊演習線に繋がるアヤシイ路線の話②

美しい線形

鉄道連隊の習志野線から分岐する謎の路線、続き。
※千葉陸軍兵器支廠は補給廠⇒千葉分廠となりますが、補給廠に統一します。

次は戦後の航空写真を見てみる。

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1946年(USA-M58-A-6-210)国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」

米軍撮影の1946年の航空写真です。環状線部分を切り取っています。


赤矢印が廃線跡です。戦後写真のため、撮影時に線路が残っていたのかは不明ですが、松波地区は宅地開発や新設道路のために剝がされていそうです。
ですが、補給廠内は放置されていたかもしれません。

どちらにせよ、地図に描かれていた路線は実際に存在したといっても大丈夫でしょう。


補給廠の”駅”と思われる場所(上から2番目の矢印)は、見た限り5,6本の線路が敷かれていたのではないかと思うくらい広いです。
よく見ると地図に描かれた引上線も確認できます。


総武本線との合流部は、現在の松波陸橋となっている踏切に軌道内舗装板が3つあるように見えるなど、省線と軍用鉄道は分かれていたことが分かります。


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1955年(USA-M76-14)

次は1955年の航空写真。

この時点でかなり宅地開発が進んでおり、現在に近い区画になっています。千葉公園内も綿打池や球場が完成しています。

廃線跡は半円部が残っていますが、補給廠内は北側に痕跡が残っている程度であとは宅地や道路となっています。

半円部は鉄道由来か?

地図や航空写真でキレイに残っているのでわざわざやることではないですが、念のため確認しておきます。
補給廠北側の半円部、鉄道にしてはちょっとカーブがきつすぎる気がしたので測ってみました。

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はんけい(地図を使って半径を調べるサイト)

この画像ははんけい(地図を使って半径を調べるサイト)を使って作成しました。指定した半径の距離を入力すると、その円が地図上に載せられるサイトです。

こうしてみると、穴川の半円は、曲線半径160mぴったりで造られていたことが分かります。
R160といえば、東急東横線の地上線時代に代官山~渋谷間にあった並木橋附近が同じ曲線半径ですから、急カーブといえども鉄道由来であるといっても問題ないでしょう。



次回はこの路線の正体について探っていきます。
鉄道連隊演習線に繋がるアヤシイ路線の話③ - norehero-19の日記